胃内視鏡検査

胃内視鏡(胃カメラ)検査 gastroscopy

胃内視鏡(胃カメラ)検査は、早期の胃がんを発見するのに大変有効です。

食道・胃・十二指腸の一部を直接観察することができ、必要に応じて一部組織を採取して病理検査を行えます。

検査時間は、30分程度です。

口から鼻から
咽頭反射強い(オエッとなる)ほとんどない
挿入時のつらさ気になるあまり気にならない
息苦しさ気になるあまり気にならない
検査中の会話できないできる
組織採取できるできる

 経鼻内視鏡(鼻から)

胃カメラを口から入れる場合は、カメラが舌の付け根に触れるときに咽頭反応が起こってオエッとなったり、吐き気をもよおすことがあります。

鼻からカメラを入れる場合は、このような吐き気を感じることが少ないので、当院では経鼻内視鏡を選択される方が多いです。

麻酔に用いる薬が少量であるため、体への負担も少なく、検査終了後30~60分で水を飲んだり食事をしたり、車を運転することもできます。

 経口内視鏡(口から)

鼻腔(鼻の通り道)が狭い方や強いアレルギー性鼻炎の方は、鼻からではカメラが入りませんので、口からカメラを入れる経口検査をおすすめしています。

胃内視鏡(胃カメラ)検査をおすすめする方

  • みぞおち(心窩部)や上腹部の痛みのある方
  • 胃もたれ、げっぷ、胸焼け、ムカつきがある方
  • 喉や胸のつかえ感がある方
  • 真っ黒い便が出る方(食道・胃・十二指腸からの出血の可能性があります。)
  • 検診や人間ドックのバリウム検査で異常を指摘された方
  • 健康診断などでピロリ菌を指摘された方
  • 食欲不振や体重が減ってきている方
  • 貧血を指摘されている方
  • 過去に胃潰瘍や十二指腸潰瘍を言われたことがある方

胃内視鏡検査の流れ inspection flow

STEP
検査予約

胃カメラは、予約制です。希望日の2日以上前に受診してください。

診察時に、胃カメラ検査のご希望をお伝えください。気になる症状やご不明な点、ご不安なことなどご相談ください。

健康診断で胃の異常が認められた方は、健康診断結果をお持ちください。

抗凝固剤(血をサラサラにする薬)を服用中の方は、休薬や他薬への変更が必要となることがあります。必ず治療内容が分かるものやお薬手帳をお持ちください。 また、当院では対応できず他医療機関に紹介することもあります。

経口
(口から)
月~土8:10来院
経鼻
(鼻から)
月~土8:05来院
秋・冬季の火曜日は、不定期に実施しています。
STEP
検査前日
  • 夕食は、夜7時までに済ませましょう。油物、刺激物は控えましょう。
  • のどが渇いた時は、夜中の12時までなら口を湿らす程度の水分は差し支えありません。
  • 喫煙、飲酒は、夕方からやめておきましょう。
STEP
検査当日
  • 起床後は、食べたり飲んだりできません。
  • 心臓・血圧の薬は飲んで、そのほかの薬を飲むのは止めましょう。
持ち物
  • 診察券
  • 保険証
  • 予約票
  • 同意書(事前にご記入ください。)
  • フェイスタオル1枚
STEP
前処置/検査

消泡剤を服用し、胃と腸のガスを取ります。

鼻腔麻酔や咽頭麻酔をします。

検査の開始時間は、8時25分頃です。30分程で終了します。

STEP
検査後

医師より検査結果をお伝えします。次回の胃カメラ検査の時期や日頃の生活習慣で気をつけることなどをお話しします。

経口の場合は、検査後30分程休んで、体調確認後に帰宅していただきます。

検査後1時間は、車の運転は控えましょう。

経鼻の場合は、検査後の休憩はなく帰宅できます。

STEP
後日 検査結果

胃の組織を採取し病理検査をした場合は、約2週間後に検査結果をお伝えします。

必要に応じて地域の基幹病院や 専門の病院に紹介します。

ピロリ菌の検査と除去 Helicobacter pylori

ピロリ菌に感染しているかどうか調べる検査

内視鏡を使う検査

胃の粘膜を採取して診断するため点診断といわれ、判定に偽陰性(本来陽性であるが、間違って陰性と判定してしまうこと)があります。

培養法

胃の粘膜を採取してすりつぶし、それをピロリ菌の発育環境下で5~7日培養して判定します。

迅速ウレアーゼ試験

ピロリ菌が持っているウレアーゼという、尿素を分解する酵素の活性を利用して調べる方法です。採取した粘膜を特殊な反応液に添加し、反応液の色の変化でピロリ菌の有無を判定します。

組織鏡検法

胃の粘膜の組織標本に特殊な染色をしてピロリ菌を顕微鏡で探す組織診断方法です。

内視鏡を使わない検査方法

胃全体を診断することが可能なため面診断と呼ばれています。

尿素呼気試験法

診断薬を服用し、服用前後の呼気を集めて診断する、簡単に行える精度の高い診断法で、主流の検査法のひとつです。
呼気検査は20分程度かかります。検査当日にお水以外の飲食をしている場合は検査はできません。お水は、検査前まで飲めます。検査の1時間前から禁煙してください。

抗体測定

ヒトはピロリ菌に感染すると、抵抗力として菌に対する抗体をつくります。血液中や尿中などに存在するこの抗体の有無を調べる方法です。血液や尿などを用いて、その抗体を測定する方法です。

糞便中抗原測定

糞便中のピロリ菌の抗原の有無を調べる方法です。

ピロリ菌の除菌

ピロリ菌の除菌治療には、胃酸の分泌を抑制するお薬と2種類の抗生物質と胃の粘膜を保護するお薬の4つを服用します。1週間服用することで、約8割の方は除菌に成功すると報告されています。

除菌薬服用後、胃の中に本当にピロリ菌がいないのかを知ることはとても重要です。なかには一度で除菌できない場合もあります。除菌後の判定検査を受診し、ピロリ菌の有無を確認しましょう。

除菌に成功したからといって、胃がんなどの病気にならないわけではありません。除菌後も定期的に内視鏡検査などを受け、胃の状態を確認しましょう。がんは、早期に発見することが大切です。

検査料金 Inspection fee

3割負担の方
胃内視鏡検査のみ
(胃カメラで診ただけ)
約5,000円
胃内視鏡+病理検査
(組織を採取)
約11,000円
胃内視鏡+ピロリ菌検査約7,500円
ピロリ菌の一次除菌
診察・検査・薬代含む
6,000円~7,500円

保険診療にてピロリ菌の除菌治療を行うには、条件があります。

内視鏡検査にて胃炎が認められた。または胃潰瘍・十二指腸潰瘍と診断された。

かつ

②ヘリコバクター・ピロリ菌検査で陽性だった。

※①と②どちらも当てはまる必要があります。